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第0試合で振り返る2017年の新日本プロレス

先日の後楽園大会で今シリーズ行われたスーパージュニアタッグトーナメントも準決勝までの6試合が終了し、決勝のカードも新鋭・六本木3K対Wリベンジを狙う・SUPER69と決まりました。
また試合前に各選手権試合の調印式も行われ、今週末に行われる大阪大会・Power Struggleも前カードが発表されています。

各選手権試合・SJTT決勝の行く末や、ドームへの前哨戦、今大会のみのゲストの登場するカードなど見所及び語りどころは多々ありますが、カードを見ていて少し気になったのはこのカード

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そう、第0試合のデビット・フィンレー対北村克哉
既に歴代ヤングライオンとは一線を画す存在感と筋肉量を誇り、最近になってファンになったライト層から筋金入りのプオタまで幅広い層を惹きつける得体の知れぬ魅力を持つ北村選手。
新日本初参戦となったBOSJでプロレス玄人のミラノ先生をうならせるほどの技巧を披露し、その後ヤングライオンとして一からやり直した叩き上げ、同時にデイブ・フィンレーの息子というサラブレッドでもあるフィンレー選手。
テクニック対パワー、ヨーロピアンアッパーカット対逆水平、白対黒、様々な対立軸で語れる試合がなんと第0試合に、これは見るしかない。

と、言うようなことを考えていると、この試合のようにヤングライオンとこの間までヤングライオンだった選手同士のシングルマッチによる第0試合というのも珍しいのでは?と思い立ち、少し調べてみました。
それによって第0試合と新日本そのものの変化が見えてきました。
ということで、2017年に行われた「第0試合」5つについて振り返ります。

1.4 東京ドーム Wrestle Kingdom

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第0試合初めは1.4から、ちなみに試合初めは前日の大プロレス祭りで岡選手のデビュー戦が行われています。
ニュージャパンランボーは2015年の1.4からの試みですが、往年のレジェンドレスラーの登場やアイドルの乱入、欠場中の選手の復帰など新日本では珍しいお祭り要素の強い試合形式で定着しつつあります。
今年は超竜、スコット・ノートンのサプライズ登場などもありましたがこの日怪我から復帰したマイケル・エルガンランボーを制し、翌日の後楽園大会で内藤哲也のIC王座に挑戦することになります。
この試合だけは何度か行われる第0試合の中でも特別な副賞のある試合といえるでしょう。

旗揚げ記念日

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続いて行われたのは旗揚げ記念日、奇しくも黒いリングシューズに黒のショートタイツ、そして坊主頭の伝統的な新日本スタイルの二人の対決が行われました。
とはいってもかたやデビュー2ヶ月の新人・岡、そしてかたや今年デビュー25周年の大ベテランの中西とキャリアの差はまさに雲泥。
両者ともに全日本レスリング選手権優勝の経歴を持つレスリングの猛者同士でもありますが、中西さんの場合はさらに選手権4連覇+バルセロナ五輪出場と超のつくレスリングエリートでもありますね。
というわけで岡選手は勝利を掴むことはできませんでしたが、永田さん相手のデビュー戦に続いて中西さんとのシングル戦、と期待の高さを感じさせるとともに試合後のコメントもふてぶてしさ溢れるもので頼もしさも感じます。
ちなみに結果的に2017年に行われたシングルマッチの第0試合はこの試合と今週末のフィンレー北村のみ。
この二人、モンスターレイジに対する期待値の高さの現れですかね。

4.9 両国大会 SAKURA Genesis

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続く第0試合は4月の両国大会、川人岡そしてこの前のシリーズで急遽デビューした北村の3人がフィンレーライガー中西の先輩3人組に挑むチャレンジマッチ的な構図となりました。
当時デビュー1ヶ月未満の北村選手ですが既に入場だけで場内をどよめかせる迫力と強烈な逆水平は身に着けていましたね、ちなみにマウスピースはまだ白い。
この北村選手、そして岡選手という体格も実績もある”後輩”ができたことで川人選手もまた奮起し、この試合でも真っ先にライガーに奇襲をかけるなど向こう気の強さが現れるようになったのは良い相乗効果でしょう。
試合としては第0試合とは思えない盛り上がりの中、フィンレーが北村選手をフォール、そう考えると今度の第0試合はこの時のリベンジマッチという見方もできますね(多分他でも当たってるだろうけど)

福岡大会 レスリングどんたく

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翌月レスリングどんたくでも第0試合が組まれ、今で言うモンスターレイジ、岡北村組と川人ヨシタツ組が対決しました。
この当時はまだタッグ名もない状態でしたが、久しぶりの大型新人、そして双方ともに新人離れした容貌ということもあり、周囲の期待に答えるように日々improveしつつあるタッグ。
バックステージコメントも熱く語る岡に対して、謙虚さがにじみ出るコメントを出す北村と好対照なのも人気の秘訣か。
それに対して川人は体格面での不利を克服するべく、向こう気の強さに加えてスワンダイブミサイルキックのような飛び技にも着手し、この日も岡を場外に蹴散らし、ヨシタツの関節技の好アシスト。
そして北村を料理したヨシタツはメインイベンターへの道を模索中、まさかこの後に全日本に出場し、宮原とタッグを組み、そして三冠に挑戦することになるとは誰も思ってなかっただろう・・・想像つかねぇって
ちなみにこの後にレジモンは全日本の新木場大会に出場し、秋山大森の大ベテランタッグに玉砕し熱い男泣きと伝説の「カポッ」を生み出すことになります。

6.11大阪城大会 DOMINION

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そして翌月もまた東京ドームに次ぐビッグマッチで第0試合を開催、ここでは4月の第0試合にも出場したフィンレー川人レジモンに加え、4月にデビューした海野、5月にデビューした八木も出場しほぼヤングライオンのみの6人タッグマッチになっています。
この頃から丁度若手の登龍門的大会、LION's GATEも活発化し、ヤングライオンたちの個性が伸びるとともに観客への認知度も高まってきている時期ですね。
ちなみにこの時期から北村さんは入場しての所謂ランデルマンジャンプと牙の模様のマウスピースでより一層ヤングライオン離れした風貌へと変化しています。
デビューしたての2名も川人岡北村の先輩も奮闘を見せたものの、4月に続いてフィンレーが八木からピンフォール
試合を見ていても思い切りの良さ、元気のよさという点ではヤングライオン5人がアピールしていたものの、全体を通してそれを翻弄する巧さをフィンレーが魅せた形になりました。
少し前までフィンレーもヤングライオンだった、とはいえヤングライオン前にBOSJに参戦し解説のミラノさんをうならせるテクニックを見せていただけに経験値は段違いといったところでしょうか。

今年の第0試合に見る若手の活性化

というわけで今年の第0試合を見てきたのですが、ちなみにPower Struggle大会は毎年ではないもののちょくちょく第0試合が組まれます。
その面子を見てみると

2013年 BUSHI・KUSHIDA・キャプテンニュージャパン・中西対コズロフ・ロメロ・YOSHI-HASHI・高橋裕二郎
2014年 フエゴ・タイガーマスク対ドラダ・BUSHI
2016年 ジュース小島天山対金光中西永田

と、このシリーズでジュニアタッグトーナメントが行われる関係からか、トーナメントを敗退したジュニア選手やカードにあぶれたベテラン、若手などが組まれているのが見て取れます。
この傾向は少し前までの新日本の第0試合でよく見られる傾向で、第0試合出場になって永田さんが落ち込む、何てこともあったのも記憶にあるでしょう。

その一方で今年の第0試合を振り返ってみると、ニュージャパンランボーはさておき、ヤングライオンが主軸になっていることがわかります。
その理由はやはり岡北村という待望のヘビー級、即戦力の大型新人のデビューということもありますが、それと同時にヤングライオンの数的・質的充実があると思います。
デビューしたての若手がお互いに切磋琢磨することが試合内容の向上とともに、大会のオープニングマッチとしても盛り上げに一躍買っていることは確かでしょう。
このような盛り上がりがヤングライオン杯の復活を導いたという部分もあるでしょう。
少し前までは「新日本伝統の第一試合」という言葉が聞かれましたが、今や興行形態の変化もあって第一試合からタイトルマッチクラスというのもありうるようになりましたが
それでも「新日本の伝統」は「第0試合に」受け継がれている、と言っても過言ではないのではないかと思います。

何はともかく11月5日大阪大会Power Struggleは16時40分からの第0試合から見よう!
ちなみに紹介した第0試合はすべて新日本プロレスワールドで見ることができるので是非。