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過去シングル8戦で振り返るオカダ対内藤

いつの間にやらWTLも決勝進出の可能性のあるチームが限られてきてたりしますがいかがお過ごしでしょうか。
やっぱり参戦して日が浅いとリングにも相手にもなれてないのか本領発揮とは程遠かった新規参戦の選手も本領を発揮しつつある気がしますが、個人的には後藤&吉橋の通称むしゃざんまいが気になりつつあります。

まぁ決勝進出できなかったけどね!\むしゃざんねん!/

それはさておき、流石にWTLも後半戦で結晶含めても残り2試合、年末の後楽園とLions' Gateを含めても今年も残り6試合ということでそろそろ見る側も東京ドームに目を向けていきたいところ。
というわけで今回は(多分)メインで行われるIWGPヘビー級選手権試合、オカダ・カズチカ対内藤哲也についてです。
見所とかは良くわからないのでこの二人のこれまでの対戦についてざっと振り返っていこうかと思います。

 

2007.8.26 岡田かずちかプレデビュー戦

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二人の初対決は新日本の本興行ではないCTUの解散興行の第1試合、しかも当時はまだ岡田も正式には入門していないためプレデビュー戦となっていますね。
この当時で既に3年のキャリアを持っていた岡田ではあるものの日本再デビューに当たって黒パン黒シューズのヤングライオンスタイルになり、またこの試合では得意としていたジャーマンという大技も封印し、一若手としての再スタートを切ります。
一方相手をする内藤さんは2006年デビューでこの当時はデビューちょうど1年、それでもこの当時から今も象徴的な技として使っているフライングエルボーの形が完成していますね。
結果としてはヤングライオンの象徴的な技である逆えび固めで内藤の勝利。
試合後のコメントにおいて

内藤 アイツはこれから何年、何十年と競っていく相手だと思っている。凄い楽しみな相手だなと、今日やって思いました。

とのコメント、同期ゆえにという理由もあったでしょうけどこの初遭遇からまさに10年経った今でも競い合っています。

2012.3.4 初のIWGP戦&新日本旗揚げ40周年記念日

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その次の遭遇は5年後、内藤さんが翌年からNO LIMITとして活動をはじめたのもあってかシングルでの対戦はないですね(NO LIMIT含むタッグ対決は結構ある)。
状況としては下馬評を覆してIWGPを棚橋から奪取し、観客の支持もまだついて来ていない時期で、その試合後に挑戦表明に出てきた内藤にある種の「待ってました!」な期待感も大きかった覚えも。
そういった状況以外にも、新日本の旗揚げ40周年の大きな節目にオーナー会社がブシロードに変わり、その旗揚げ記念日に20代の新鋭同士でIWGPが競われるというシチュエーションに新日本の新時代を感じさせる要素は揃いすぎるほどに揃っていたかと思います。
結果として、白熱した攻防によって懐疑的だったマニアの見方を変え、試合中にオカダコールが発生するなど、オカダが後楽園に集ったマニアにも認められたのは内藤の力量に寄る所も小さくはなかったでしょう。

2012.8.3 G1公式戦

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そんな内藤さんの雪辱の機会は半年後のG1で設けられました、G1二日目の後楽園大会のメインイベント、奇しくも同じ場所で二人の公式戦が行われます。
ちなみに二人のシングルマッチの内この試合だけワールドにもYouTubeにもないんですよね・・・
それはともかく、旗揚げ記念日では2度かわすものの3度目の正直で被弾したレインメーカーを最後まで避けきり、逆に自分の十八番であるジャーマン→ドラゴン→スターダストのたたみかけで見事に勝利しています。

上記のG1での勝利によって勢いづくかと思われた内藤さんですが、この4日後の仙台大会で現在はLIの盟友であるルーシュのジャーマンを着地した際に膝の靭帯を損傷、1年弱の長期欠場に入ってしまいます。
この年、オカダさんがG1を優勝し、G1での借りを返すべく権利書戦を仕掛けていただけにチャンスを逃がしてしまった部分はあるかも。

2014.1.4 二度目のIWGP戦&ファン投票によるセミ降格

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翌年G1の直前に復帰した内藤さんはあれよあれよと言う間にG1を初制覇するものの、色々あって東京ドームではセミファイナルに降格することに。
正直この当時もこの試合を見直したときも苦虫を噛み潰したような心地で見ていたんですが、試合をしている両名もむすっとした印象。
オカダさんはブスッとしているかと思いきや怒りをあらわにする場面もあり、内藤さんはその当時の華やかなイメージにそぐわない頭突きなども繰り出しつつも表情は浮かない。
ある種ここまでの3試合では「新日本の明るい未来」としてもてはやされたきたこの対戦が、棚橋対中邑という「新日本の現在かつ過去」に負けたということもあるかとは思います 。
この試合を制したオカダさんは妥当棚橋に向けて動き出し、一方の内藤さんは長い模索期間へと入ることになり、二人にとって、良くも悪くもターニングポイントになった試合だと言えるでしょう。

2014.7.28 二度目のG1公式戦

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そんな次のステップへと向かい始めた二人の再戦は半年後、2度目のG1公式戦での対戦であり、場所は内藤さんが膝の靭帯を切った仙台でした。
当時の内藤さんは思うように戻らない試合感や膝のコンディションもあって全国でブーイングが渦巻いていた時期でしたが、内藤さんの過去も翌覚えている仙台では歓声で迎えられます。
とはいえ、この時期にもなると内藤さんもコンディションが回復しつつあり、東京ドームとは打って変わっていつもの二人と言った様子でリング上で競い合う試合となりました。
試合としては内藤さんが半年振りの雪辱を果たしてBブロックの単独首位に立ち、観客とハイタッチをかわして帰っていきます。
しかし結果的にこの年のG1はオカダが兄貴分であった中邑に初勝利し、2年ぶり2度目の権利書を獲得、この公式戦での敗北から内藤さんを防衛戦の相手として指名します。

2014.10.13 初めての権利書戦

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所謂主役時代の内藤さんとの最後の対戦ですが、この時期は膝のコンディションも良く、試合内容としてはかなり激しく、そして面白いものになりました。
一方のオカダさんは対棚橋を見越して高角度のジャーマンや相手を吹き飛ばすジョン・ウー、そしてリングを横断するミサイルキックなど奥の手を多々解禁していた時期でもあり、これまで”間の巧さ”が特筆されていたスタイルから力強さと厳しさを押し出すスタイルに変貌していたのでした。
しかもそのスタイルと内藤さんの受けに受けるスタイルが巧く噛み合い、これまでの試合と比較してもかなり完成度の高い素晴らしい試合になりました。
結果的にオカダさんが権利書を防衛し、2年がかりの棚橋越えへと傾倒して行き、同時に内藤さんはAJとの対戦を経て模索期に入っていきます。

2016.4.10 3度目のIWGP戦&内藤のIWGP初戴冠

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 再び1年半の期間を経て、全く代わった二人が再び向かい合いました。
一方は棚橋との世代抗争を勝利で終え、IWGP戦線の正真正銘の中心人物となっていたオカダさん。
一方はメキシコでのLIとの出会いから歯に衣着せぬ物言いでそれまでのファンに加えて、新日本に不満を持つファン層まで取り込んだLIJの内藤さん。
しかしこの対戦に限ってはある種状況の方が重要で、年始に中邑やAJを初めとする主力級選手が多数離脱し、新日本が揺らいでいた時期でもありました。
そんな時に観客が求めるのは全く新しいスターの姿、内藤さんがその期待を一身に受けて時代の潮流を捉えたと言うのは間違いではないでしょう。
その証拠に「待ってました!」という試合前からの期待感と自然発生する内藤コールが、オカダ内藤戦に限ればあの旗揚げ戦以来の復活を果たしています。
そうして圧倒的支持を受けた内藤さんと、それでも「強い」と思わせる厳しく激しい攻めを見せるオカダさんによって盛り上がった試合ですけども
何度見てもSANADAの乱入がこう・・・なんとかならんか?と思ってしまう。

2016.6.19 4度目のIWGP戦

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そして最後の対戦となっているのがその2ヵ月後の再戦、この試合においては事前からリング外でもあらゆるところに噛み付き話題を内藤さんが提供してきました。
そして迎えたリング上では両者へのブーイング、両者への歓声が入り混じるある意味で異常な空間が繰り広げられました。
この現象については見ている側でも、試合をしている二人も、そして実況している解説席の面々も色々と考え解析しながら試合が進んでいくのがなんとも不思議な試合でしたね。
いずれにしろ、今までにない、そしてこれ以降再現されたことのないような、文字通り空前絶後の空間が作られたことは確かでしょう。
解説についた真壁選手はこれを「内藤の掌の上」と表現したのに対して、ミラノ先生はふと「思ったような反応が得られなくて内藤もイラついているのでは」と言ったり、解釈は人それぞれかと。
しかしながら試合後の感想としては「もう少し内藤政権が見たかった」という意見で一致した解説席でした、2ヶ月・防衛1回は歴代でも結構な短命政権、なのかなぁ。

そして2018.1.4

 というわけで振り返ってみましたが結果を見るとこれまでの8戦で二人は4勝4敗の互角になってるんですよね。
しかも内藤→オカダ→内藤→オカダというけして連勝することがない繰り返し。
それだけ実力が伯仲していたと言うことでもありますが、あんまりそういう気がしてなかったのはその序盤の内藤さんの勝利が若手時代+G1公式戦で、ベルトのかかった大一番などでは悉く負けていたため、ということかも。
その「大一番では負けてしまう」ジンクスを崩したのが16年4月なのですが、それを含めても完璧な互角の両者。
と言うことを考えると今度の対決では内藤さんが勝ちそうという気がしないでもないですが、はたしてどうあるやら。

こうして振り返ってみると「新日本の未来」としてもてはやされていた2007~2012年、「新日本の過去」にさえぎられた2014年、「新日本の現在進行形」となった2016年という風に分けられるかもしれません。
そういう意味では2007~2012は新進気鋭のオカダが主語、2016年は逆転劇に転じた内藤さんが主語という気がしないでもないですが、はたして「2018年のオカダ・カズチカと内藤哲也」はどんな物語を展開するのか、楽しみではあります。

それでは