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すれ違いで振り返る2013~2018年のゴールデン☆ラヴァーズ

 1.4、1.5という新日本プロレスの2017年の総決算、2018年の開始点が終わり、ファンタスティカマニアに向けた休閑期に入った時期ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
ツイッターを見てると今後の展開についてああだこうだと予想をするツイートもちらほらと見られますね。

現状では2月のNEW BEGINNINGシリーズで予定されているカードは

IWGPヘビー級:オカダ対SANADA (大阪?)
IWGPUS:ケニー対ジェイ (札幌?)
IWGPIC:棚橋対鈴木 (札幌?)
NEVER:後藤対EVIL(大阪?)
IWGPジュニア:オスプレイ対ヒロム (大阪?)
IWGPタッグ:EVILSANADA対オカダ後藤 (札幌?)
IWGPジュニアタッグ:ヤングバックス対六本木3K (札幌?)

という感じ、大まかにはCHAOS対LIJ、CHAOS対バレットクラブ、本隊対鈴木軍という様相になっていますね。
ここで気になるのはドームでCodyを相手に勝利を収めたものの次期シリーズではタイトル戦などのチャンスが組まれていない飯伏幸太。
正直に言うと2018年の新日本プロレス、特にIWGP戦線の中心人物になるのは飯伏なんじゃないかなぁと思ってるんですよね。
と思うようになったのもやはり1.5のこのシーンがあったからゆえ

 Codyとのタッグマッチ後にリンチされかける飯伏をケニーが救い出す。
結果としてケニーと飯伏が接触することもなく、その後のバレットクラブの内紛、そしてケニー対ジェイへの序章として消化されてしまった感のあるこのシーンでしたが、ケニーが駆け込んできた瞬間の歓声の大きさが「飯伏対ケニー」への期待感の現れですよね。

飯伏幸太とケニー・オメガはいわずと知れた名タッグ、ゴールデン☆ラヴァーズを結成していましたが、二人が段階的に主戦場を新日本に移して以来すれ違いが続いているんですよね。
ということで今回は飯伏幸太の新日本所属がスタートした2013年以降の二人のすれ違いに付いて振り返ってみましょう。

 所属以前

両者は所属以前からDDT所属選手として新日本のジュニア部門に度々参戦していました。
BOSJには飯伏が2009年、ケニーが翌2010年にそれぞれ初参戦し、2011年にはそろって参戦するもブロックが違うこともあって対戦は叶いませんでした。
一方で2010年にはゴールデン☆ラヴァーズとしてIWGPジュニアタッグを獲得し、史上初めてジュニアタッグのタイトルマッチで東スポプロレス大賞のベストバウトを獲得しています。
しかしその後ケニーは全日本参戦などもあって新日本への参戦が減り、再びBOSJへの参戦が始まったときには飯伏もG1出場などヘビー級挑戦が増えてきたため新日本で触れ合う機会もありませんでした。

飯伏・ケニーの新日本所属
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 2013年、先に新日本プロレスと所属契約を結んだのは飯伏、このときは業界初の「二団体所属」ということでかなり話題になりましたね。
会見では新日本側の熱烈なラブコールがあったものの、DDTの居心地も捨て難く・・・ということで今までどおりDDTに参戦しつつ、新日本のビッグマッチにも参戦するという形に。
その後はIWGPジュニアの獲得、オカダとのIWGP王者対決、大会ベストバウト級の石井とのNEVER戦などジュニアの枠にとどまらない活躍を見せます。
そして2年連続のG1への出場はKUSHIDAとのタイトルマッチ中の脳震盪の後遺症によって流れてしまうものの、2014.1.4での中邑とのとてつもない1戦と着実に新日本のトップ選手として活躍を見せます。

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その飯伏に遅れること1年、ケニーもまた新日本との所属の道を選びます。
こちらの場合はケニーからの売込みであり、「新日本に100%集中したい」ということで独占所属の形になりました。
しかしその後のビッグマッチPowerStruggleにおいてケニーはBULLET CLUBへの所属を宣言し、IWGPジュニアに照準を絞ります。

 

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こうして飯伏はヘビー級、ケニーはジュニアヘビー級と階級をたがえて所属することになり、ジュニアとヘビーの間に隔絶がある新日本では二人が対戦する機会は全くありませんでした。

2015年、初めてのニアミス

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(試合映像)

ヘビーとジュニアに分かれたゴールデン☆ラヴァーズがニアミスしたのは翌年2015年。
NJCUP優勝を引っさげて時のIWGP王者AJスタイルズに挑戦を果たした飯伏。
共に「天才」と称される二人の対戦は白熱したものになり、好機を掴んだ飯伏は必殺のフェニックススプラッシュを狙い、コーナーに上ります。

そこへ・・・

 

 ケニーは何もしませんでした。
しかし二人の視線が合った一瞬、ケニーは戸惑ったような表情を見せ、エプロンから降りました。
それを見て首を横に振る飯伏。
結局この一瞬が勝敗をわけ、試合はAJの勝利で終了します。
試合後、ケニーはAJの祝福にリングに上るもののその表情も浮かないものでした。

「そっち」と「こっち」に分かれた二人

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その翌年、飯伏は新日本から去ります、同時にDDTからも離脱し実質的フリー選手として活動を開始します。
その中でも特筆すべきなのはWWE、NXTおよびCWCへの参戦でしょう。
この年は新日本からWWEへとカール・アンダーソン、ドク・ギャローズ、AJスタイルズにくわえて飯伏とも親交の深かた中邑も移籍していた年であり、まるでそれを追うかのようにWWE系団体へ参戦を果たしたのです。

一方のケニーは新日本との契約下であり移籍することはできません。
実際この次期のケニーはモチベーションがかなり低下していたという話もありますが、誰かトップ選手が抜ければそれはすなわち他の誰かにチャンスが巡ってくるということ。
ケニーはこの年、AJを追い出す形でBULLET CLUBのリーダーに就任し、IC戴冠そして外国人として始めてG1を制覇する偉業を果たします。
またその場でのマイクにおいてこう言います。

日本は俺のホーム。新日本は俺のホーム。だから、“そっち”行かない

リップサービスも込みの言葉ではあるんでしょうけど、それ以上に”そっち”へ言ってしまったものへの宣戦布告にも聞こえるような言葉でした。
その後ケニーは2017.1.4において東京ドーム大会のメインを見事に勤め上げ、IWGPヘビーこそ届かなかったものの、IWGP”US”王座の初代王者となり、新日本の主要人物へと変貌していきます。

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2017年、再びの邂逅

一旦は別れてしまった二人の道は翌年再び交わります。
WWEへの参戦もひと段落着いていた飯伏は3度目となるG1へ参戦します。
参戦VTRにおいて飯伏はあくまで同ブロックの棚橋戦に向けたコメントに終始するのに対してケニーは2つの目標の一つとして「”アイツ”と決勝で闘うこと」を挙げ、意識した発言をします。
当然のことながらこの二人がG1に同時に参戦するのはこの大会が初、同じリーグ戦への参戦という意味では2011年のBOSJ以来の6年ぶりとなりました。

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結果として飯伏は決勝進出を逃し、ケニーは決勝進出するものの2連覇を果たすことはできませんでした。
そんな、意気消沈した様子で国技館の通路を歩くケニーの前に飯伏が現れます。
新日本においては初めて言葉を交わす二人でしたが、駆け寄る飯伏に対してケニーはつっけんどんに払いのけ、その場を去ります。
優勝できなかった悔しさもあるんでしょうけど、「自分が待っていた場所に現れずに今更になって現れた飯伏への苛立ち」というのも見られるようなシーンでした。

 そして2018年、リング上での邂逅はあるのか

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そうして2度リング外で邂逅してきた二人が今回始めてリング内で邂逅したわけです、とはいえ試合内ではなかったわけですけど。
こうしてみるといずれもBULLET CLUBとしてのケニーの前に飯伏が立つという状態ばかりですね。
1度目の邂逅では、AJという絶対的なリーダーの存在もあってジュニアに留まっていたために、当時ヘビー級として活動していた飯伏との対戦はありえなかった。
一方2度目の邂逅では押しも推されぬメインイベンターとなったケニーと数年ぶりに参戦したばかりの飯伏では実績の差が多すぎて対戦のチャンスは無い。
しかし3度目の対戦となった今回は、ケニーはUS王座を持っていますが、飯伏はBULLET CLUBのNo.2であるCodyに打ち勝っています。
つまり二人の間の差は明らかに縮まりつつあるんですよね、というか普通に考えればこの実績を元に挑戦したっておかしくは無いんですよね。

しかし一方で、二人の最後の対戦となった2012年の武道館での一戦は死闘と呼ぶにふさわしい一戦となり、それもあって対戦には慎重になっているというようなコメントもある。
実際に二人の邂逅ですら1~2年ぐらいの感覚で繰り返されて焦らされてきてるので今回もまた・・・という可能性もありますけど。
でも自分は今年どこかでこの二人の対戦が、タイトルマッチクラスで行われるんじゃないかなぁと考えてます。
ベタな考え方ならG1としては初進出になる日本武道館の優勝決定戦とか、もしくはケニーの持つUS王座に・・・とか。
いずれにしたってケニーもいつまで日本にいるかもわからない辺り、早めにこの黄金カードを新日本で、という気持ちもしますしね。

というわけでゴールデン☆ラヴァーズの新日本でのすれ違いについてでした。
この二人についてはDDTの方がだいぶ濃い関係なんですけど如何せんDDTUniverseにも入ってないんでどうも。
実際DDTでの蜜月ありきの関係ではあるんですけど、新日本でもこれだけもったいぶってストーリーが進んできた、ということを覚えておくと今後もっと面白いかもしれませんね

それでは

(1/30追記)

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prowrestlinganalysis.hatenablog.com

まさか1月中に回収するとは思わないじゃん?

(2/13追記)

飯伏の新日本(+DDTのW)所属が始まった2013年10月7日からちょうど1600日経った2018年2月23日に二人のすれ違いも終わるようです。
そんなある意味歴史的な邂逅の緩衝材となる、#それがチェースオーエンズという男 (2日目は純正タッグだけど)。